撮影機材のソフトボックスとは、端的にいうと照明機材の一種で、写真撮影を行う時に用いるものです。ソフトボックスを用いる目的は照明に変化を加えることにあり、撮影スタジオでは珍しくない、ベーシックな機器だといえるでしょう。ソフトボックスの活用には写真、撮影と操作の知識が不可欠ですが、使いこなせば光を自在にコントロールできるのも確かです。分類的にはライトシェーピングツールと呼ばれるものの1種で、名前のように正方形や長方形などの形状が基本です。
ただ円形状のものもありますから、ボックスといっても必ずしも四角いわけではないです。ソフトボックスのメリットは、ストロボ単体よりも被写体の陰影に深み、奥行きを出せることが挙げられます。雰囲気を演出できるとも言い換えられるので、写真に物語性を持たせたい場合などに役立ちます。近年はコンパクトに収納できるソフトボックスも増えているので、多くのカメラマンが愛用していますし、スタジオに限らず撮影現場で見かけることも少なくないです。
似たような照明機材にアンブレラが存在しますが、傘状で光を拡散するアンブレラに対し、ソフトボックスは光の向きを変化させるイメージです。つまり、効果が異なるので用いる目的も違いますし、得られる結果の違いから使い分けができます。ソフトボックスを使うと、写真に柔らかい印象を加えられるので、そういう効果を得たい場合に大きなメリットとなります。しかも演出臭くありませんから、あくまでも最初からそのような光が射し込んでいるかのような写真に仕上げられます。
光の向きに加えて光量も変えられるので、改めて光をコントロールするのに適した照明機材だと分かります。形状やサイズの違いは使い勝手や仕上がりに影響しますから、得たい仕上がりのイメージが明確であれば、選びやすいともいえます。ソフトボックスのメリットの極めつけといえばやはり、価格が安いことでしょう。価格帯は数千円からとリーズナブルですし、カメラや作品作りが好きな人であれば、1つ持っていて損はないはずです。ちなみにソフトボックスはストロボがないと光源が得られないので、クリップオンストロボも一緒に用意したいところです。
カメラと接続するシンクロコード、ソフトボックスを設置する為のライトスタンドや、収納用のライトスタンドケースもあります。ソフトボックスは広げてライトスタンドに設置してカメラと接続するだけと、簡単にセッティングできますが、操作に関しては経験が必要です。ポイントはストロボと被写体の距離やカメラの角度などで、グリッドを加えて光の拡散具合を調整することも大事です。