戦争記念碑とは戦没者や戦争犠牲者の慰霊のために建てられたもので、1877年の西南戦争から始まったと言われています。特に第二次世界大戦終戦後を境に戦没者慰霊の形が成立し、それまでの伝統的な慰霊を行う町や村単位の碑とは異なる国家的な記念碑が建設されるようになりました。1945年8月15日の敗戦の日から75年以上の月日が流れた現在、戦争を体験した世代がいなくなってしまったら、当時の様子や戦後の混乱期を語り継ぐ人もいなくなってしまいます。
戦争なんて昔のことと思うことも仕方がありませんが、戦争という事実を心に刻むことは過去の継承に留まらず未来志向の行為でもあるため、しっかりと記憶に残すことが大切です。
戦争記念碑の写真を上手に撮る方法のポイントは、「構図」「アングル」「光」の3つが重要です。構図とは被写体をどのように配置するのか、どう切り取るかのフレーミングのことで、立体感や周辺の風景とのバランスなどをコントロールするためにも重要です。アングルは碑に対しての角度のことで、正面から見たりローアングルや斜めから撮ることで写真の印象が大きく変わり、光も時間帯や方角、太陽の高さなどで異なる印象を与えることができます。
戦争記念碑を撮影する場合におすすめの構図は「三角構図」と呼ばれるもので、碑を中心にして画面のどこかに三角形を作るようにします。この構図にすると安定感や奥行を出す効果があり、バランスがよくなることが特徴です。アングルについては、正面で撮影する場合はしっかりと水平と垂直が取れていることが重要で、なるべく離れてズームで撮影すると歪みを抑えることができます。大きく撮影したい場合はローアングルで見上げるような形で撮影すると、大きさと威厳を出すことが可能になります。
光に関しては午前中がおすすめで、太陽の低い位置からの光は綺麗に撮影しやすくなっています。影にも配慮が必要で、カメラの背後に太陽がある順光であれば影も気にならなくなります。また、日が落ちても余韻で空が薄く明るい時間帯であれば、重みがあり重厚な印象の画像を残すことができます。使用するレンズは焦点距離が30ミリ前後の標準的なレンズで十分で、実際に見た状態をそのまま切り取ったような写真を焼きおこすことが可能です。戦争の悲しさや酷さを忘れないためにも、大事なシンボルである戦争記念碑を写真に残し、後世にいつまでも語り継げるようにしましょう。