人間の目に見えている風景や様相などを記録する事ができる機器には、静止画を撮影するカメラの他に動画が撮影できるカメラもありますが、動画が取り扱われる機会が多くなっても静止画である写真が絶滅しないのは、一瞬を切り取る事ができる特徴が挙げられます。動画は実際にその場で目にしている一部始終を記録する事ができますが、静止画はシャッターを切った一瞬のみが記録されるので、シャッターを切る前後は記録される事はありません。シャッターを切った一瞬のみがフィルムやデータに記録されると、その場に居らずシャッターを切った前後に起こっていた事を知らない方が見た場合、個々の感性などを元にして前後の様子をイメージします。
そのように写真を目にした者が前後の出来事を思い思いにイメージするという様子は、フォトグラフィーならではの魅力でありますしフォトグラフィーの醍醐味でもあります。もちろん、実際にその場に居合わせて一部始終を見ていた方や、カメラを覗いてファインダー越しに起こっている事を記録する方においても、一瞬のみが記録される事による魅力に浸れます。
人間は目にした物事や体験した事柄について当初ははっきりと記憶していたとしても、年月が経過する事によって少しずつ記憶が薄れていき覚えている内容が断片的になっていきます。例えば結婚式の日の家族写真や修学旅行の記念のグループ写真などがいい例です。記憶が薄れていき覚えている内容が断片的になった時に唯一覚えているのは、当時大きく心が動いた場合などであり、大きく心が動いた時にはカメラを構えて写真を撮影するため、いつまでも大事にしておきたい瞬間は欠かさずに残しておけるようになります。
写真はシャッターを切った一瞬のみが記録されるからこそ、仕上がった作品において目にした人々が思い思いにイメージを膨らませる事ができる唯一の芸術である上に常に飾っておける物なのです。技術の進歩などによって機器の性能が向上したり様々な新機種が登場したとし様々な学校や専門学校でも学べる専門分野でもあります。写真はいつまでも残り続けますし芸術における代表格であり続けるのです。